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2026/04/10 その他

【コラム】素材をめぐる「エンビ編」

普段街中で見かけるシールやステッカー。

その素材が何からできて、どこからやってきたのかをご存知でしょうか?
今回は「ポリ塩化ビニルフィルムシート(エンビ)」の正体について巡っていきましょう。

1. 「塩ビ」の意外な正体は「塩」と「石油」
「エンビ」とは、プラスチックの一種である「ポリ塩化ビニル(PVC)」の略称です。プラスチックというと「100%石油」というイメージがあるかもしれませんが、実は塩ビの原料の約57%は「塩(海水)」からできています。

  • 塩素:海水を電気分解して取り出します。
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【©いらすとや】

  • エチレン:原油を蒸留して得られる「ナフサ」から取り出します。

【©2026トーヨー】

この2つを反応させることで、中間素材である無色の気体「塩化ビニルモノマー(VCM)」が誕生します。

2. 気体が「白い粉」に変わるまで
次に、この気体(モノマー)を巨大な釜(重合機)に入れ、水や添加剤を混ぜて化学反応を起こさせます。
すると、小さな部品だったモノマーが鎖のように繋がり、大きな分子であるポリマーへと姿を変えます。
こうして出来上がるのが、塩ビの元となる「真っ白な粉末」です。

3. 「魔法の粉」でシール専用のシートへ
この白い粉に、用途に合わせた成分をブレンドすることで、皆さんが手にするシールの質感に近づきます。
  • 可塑剤(かそざい):混ぜることで素材が柔らかくなります。
  • 安定剤:太陽の光(紫外線)や熱でボロボロになるのを防ぎます。
  • 着色剤:白や透明、あるいは色付きのシートにするために色をつけます。
これらを混ぜて熱で溶かし、一旦「ペレット」と呼ばれる粒状に固めた後、巨大なローラー(カレンダー機)で薄く伸ばしたり押し出したりすることで、ようやくエンビが完成するのです。



普段何気なく手に取っているステッカーも、実は「海」と「山」の恵みが化学の力で結びついて生まれたもの。そう思うと、少しだけ見え方が変わってきませんか?
次はあなたの街の看板を、ぜひ近くで観察してみてください。

 

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