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【コラム】素材をめぐる「アルミ編」

飲み物の缶、窓のサッシ、機械に付いている銘板。私たちの暮らしや仕事のすぐそばで、アルミは使われています。
今回は、身近なアルミを通して、ものづくりを取り巻く変化と、これから大切になる視点を考えます。
1.原料が下がっても、製品がすぐ安くならないのはなぜ?
アルミ価格は高騰は続いていますが、上がり続けているわけではありません。アルミ板などの価格の目安となる国内の地金基準価格は、2026年10〜12月期に1kgあたり670円となり、前の四半期から20円下がりました。(japanmetaldaily.com)
それでも、材料の相場が下がった分だけ、完成品の価格がすぐに下がるとは限りません。製品をつくるには、電気代や輸送費、人件費、加工費も必要だからです。
見積もりの金額には、素材そのものの値段と、品質や納期を守って仕上げるための費用が含まれています。地域の加工会社が仕事を続けられる取引条件を整えることも、安定したものづくりを支える大切な要素です。
2.AIの便利さの向こう側にある「電力」の話
文章をつくる、画像を生成する、仕事を効率化する。生成AIが身近になるにつれて、その計算を担うデータセンターの電力需要も増えています。
国際エネルギー機関(IEA)の2026年の報告では、世界のデータセンターの電力消費量は、2025年から2030年にかけておよそ2倍になると予測されています。
アルミも、鉱石から新しくつくる工程で大量の電力を必要とする素材です。(aluminum.or.jp)
こうした背景を踏まえると、デジタルの便利さとものづくりの両方を支えるために、電力を安定して確保し、効率よく使うことの重要性が見えてきます。
3.使い終えたアルミが、次の製品の材料になる
資源やエネルギーを有効に使う方法として、アルミのリサイクルには大きな強みがあります。
アルミを再生地金にするためのエネルギーは、鉱石から新しい地金をつくる場合の約3%に抑えられます。
ただし、回収したアルミがそのまま、どんな製品にも使えるわけではありません。用途に合う品質へ戻すには、合金の種類に応じた選別や、成分の管理が重要です。

(一般社団法人日本アルミニウム協会より引用)
飲み終わった缶や工場で出る端材を、次の製品に使える材料へ。国内で資源を循環させることは、環境負荷を減らし、調達の選択肢を広げることにもつながります。
4.人手不足の時代に、現場の経験をどうつなぐか
製造業では、人材の確保や育成、技能の継承も重要な課題です。2026年版ものづくり白書でも、人材の定着や技能継承が取り上げられています。私たちの印刷の仕事でも、素材の表面を見てインクを選び、用途に合わせて前処理や乾燥条件を調整する判断が、仕上がりを左右します。
こうした経験を伝えるには、作業手順とともに「なぜその条件を選んだのか」を残すことが大切です。写真や動画、作業記録を使って共有すれば、若手が学ぶ手がかりを増やせます。
AIやデジタル技術を活用しながら、現場で判断できる人を育てる。その積み重ねが、これからのものづくりを支えていきます。
5.「長く使える」を、印刷と表示から考える
物価高や資源の問題を考えるとき、製品を長く使うという視点も大切です。
たとえば、機械の銘板に型式や製造番号が読みやすく残っていれば、点検や交換部品の確認を行いやすくなります。屋外の看板や案内表示でも、使う環境に合った素材と印刷方法を選ぶことが、長く役立つ表示につながります。
アルミの価値を生かすには、使う場所や目的まで考えて仕上げることが必要です。
私たち株式会社トーヨーも、シルク印刷や金属銘板の制作を通して、お客様の用途に合ったものづくりをお手伝いしています。